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図2.2.6は火源寸法と安全距離の関係を示す。これは図2.2.5をもとに放射熱発散強度をパラメータとして計算したものである。放射熱発散強度は発熱強度に依存することから、B,Cの安全距離に及ぼす効果も推定できる。また対流伝熱の効果については、許容閾値がこれによる伝熱分だけ低下するものと考えれば、やはり図2.2.6からDの効果も推定することができる。
図2.2.7は高温ガスによる対流熱伝達強度である。例えば図から温度差20℃で風速6ms−1のとき対流熱伝達強度は約500(Wm−2)と求まり、許容閾値の約21%を占めていることが分かる。

 

それぞれの効果についての数値的評価は今後の課題である。またここでの計算は定常モデルの組み合わせにより安全距離を推定したものであり、殊に、火炎によって生ずる渦の燃焼に及ぼす影響などの非定常現象8)、液面に対する伝熱と液面下の対流による輸送等については十分考慮する必要がある。

 

1)火災便覧(1984)、共立出版
2)秋田一雄、樫尾多佳子、(1988)災害の研究、vo1.19pp232
3)H.RBaum,K.B−McGrattanandR.G.Rehm;(1994)21thSymposiumonCombustion,pp1463_1469
4)B.J.McCaffrey,Combustion and Flame(1983)vol.52,pp149
5)安全工学タンク火災実験検討委員会、(1980)安全工学、vol.19,No.3,pp159
6)湯本、(1980)安全1工学、vol.19,No.6,pp360
7)谷下市松、工業熱力学(応用編)、裳華房
8)D.D.Evans,et al.、(1993)Oil Spill Conference,pp755

 

 

 

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